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テントの雨漏り<防水処理と耐水圧の関係><防水と撥水の違い>

   


テントで防水処理がされている箇所はフライシートとインナーテントのボトム(底)部分。雨の日にテント内に水が溜まるのは「フライシートからの漏れ」、「生地の縫い目からの漏れ」、「結露による水滴」、「フライシート下部からの雨の侵入」、「フライシートとインナーテントの接触」、原因はいろいろあると思いますが「ボトムの耐水圧が弱い」ことで床から浸水する場合もおおいんです


テントの防水処理部分と耐水圧の関係<防水と撥水の違い>


耐水圧とは、生地にしみこもうとする水の力を抑える性能数値、水をはじく能力ではありません。水をはじく能力は撥水ですね。


防水とは「水を染み通さないこと」、耐水圧で表されます。
撥水とは「生地の表面で水をはじく事」、撥水効果はどうしても徐々に低下します。


テントの防水処理にはPUコーティング(塗り)、PVCコーティング(塗り)、ゴアテックス(貼り/ラミネート)、パーテックス・シールド(貼り/ラミネート)、シルナイロン、SKYLITE、70Dシルナイロン、キューベン・ファイバーなどがあります。

一番多いPUコーティングはナイロンにポリウレタンを塗布した生地。生地厚を薄くでき、軽くて収縮性があるのでテントにもよく使われます。また、親水性PU、微孔式PUであれば、防水・浸透性が確保できます。(エントラントはPUコーティング素材)


防水処理は一般的にフライシートよりもボトムのほうが強い設定になっています。
※ヒルバーグのテントもフライシートは3両面100%シリコン加工ですがボトムはポリウレタンコート)


耐水圧の目安は

●テントメーカーが基準にしている一般的な数値
1,500mm → 強い雨に耐えられる
1,000mm → 通常の雨に耐えられる
500mm → 小雨に耐えられる

●雨具メーカーが基準にしている一般的な数値
20,000mm → 嵐
10,000mm  → 大雨
2,000mm  → 中雨
300mm  → 小雨

※傘の耐水圧は250mm程度。
※モンベルのステラリッジテントはフライシート、ボトムとも1500mm。ヒルバーグのテントは2000mm~3000mm.。



上記数値以外でテントで重要なのがボトムへかかる人や荷物の重量

例えば体重75kgの人が濡れた場所に座った時の圧力は約2,000mm、膝まずいている時の圧力は約11,000mmだそうです。つまりフライシートよりもボトムには高い耐水性が求められます。(雨具はテントなどより体に密着するので高い耐水性が必要)

耐水圧の低いボトムだと寝て睡眠いるうちに浸水タラ~ってことになっちゃいます。

ヒルバーグもボトムにはポリウレタンコートが使われているのはそういうことからでしょう。また、防水液もフッ素系が多いのは、たぶん耐久性の問題でしょう。

ボトムの耐水圧が心配な軽量テントなんかには浸水対策としてフットプリント(テントのグランドシート)は有効です、穴対策や汚れ対策だけならテントより大きくても問題ないですが雨天の浸水対策としては大きいものは逆効果、水たまりの上にテントという状態になっちゃいますので。フットプリント(テントのグランドシート)は全天候を考えテントより小さいものということですね。

テントの防水というとフライシートの水滴(撥水)に目が行きがちですけど、ボトムの防水処理も大事ですね。



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