D.O.D(ドッペルギャンガーアウトドア)からキャンプ用一酸化炭素チェッカー（検知器・警報機）が発売されました。よく冬キャンプで話題になるのが酸欠と一酸化炭素中毒、酸欠と一酸化炭素中毒は関連性があるんですが別物です。酸欠と一酸化炭素中毒が少しごちゃごちゃになってる場合があるので、一酸化炭素チェッカー（検知器・警報機）は必要なのかの前に違いをまとめてみました。




■酸欠（酸素欠乏）とは・・・・体内に取り入れる酸素が欠乏すること。

●原因・・・・いくつかあります
空気中の酸素の濃度が低いために起こる酸欠
一般的な空気中の酸素濃度は21%、濃度が薄くなると酸欠状態となります。
酸素濃度21%　：　自然酸素濃度
酸素濃度18%　：　安全限界、連続換気が必要
酸素濃度16-12%　：　頭痛、耳鳴り、吐き気
酸素濃度14-9%　：　顔面蒼白、意識もうろう、嘔吐、チアノーゼ
酸素濃度10-6%　：　昏睡、意識消失、けいれん
酸素濃度6%以下　：　呼吸停止、心配停止、6分間で死亡
気圧の低下による酸欠
標高が高くなっても酸素濃度は変わりませんが、気圧が低くなると空気の密度が減少するため1回の呼吸で吸い込める空気の量が少なくなる。それで酸欠状態となります。
運動による酸欠
筋肉はたくさんの量の酸素を必要としますが、激しい運動をすると、酸素を送り出す心臓（循環器）が必要な酸素量について行かない。それで酸欠状態となります。
一酸化炭素中毒による酸欠
下記一酸化炭素中毒を参照

●症状
頭痛、耳鳴り、吐き気　→　嘔吐、全身脱力、体温上昇、顔面蒼白、意識朦朧　→　チアノーゼ、全身のけいれん　→　呼吸停止　→　心臓停止


■一酸化炭素中毒とは・・・・ヘモグロビンが一酸化炭素と結びつき、酸素を運ぶ量が減るため身体が酸素欠乏状態となること。

血液中のヘモグロビンは酸素と結びついて全身に酸素を運ぶ役割をしていますが、一酸化炭素は酸素に比べて200倍以上もヘモグロビンと結びつきやすい性質を持っています。このため一酸化炭素があるとヘモグロビンは酸素と結びつくことができず、血液の酸素運搬能力が低下してしまい、酸素不足に陥ります。これが一酸化炭素中毒です。

軽度の一酸化炭素中毒では、頭痛、吐き気、めまい、集中力の低下、嘔吐、眠気、体調不良が起こります。多くの場合、軽度の一酸化炭素中毒は新鮮な空気を吸うことで回復します。中等度から重度の一酸化炭素中毒では、判断力の低下、錯乱、意識消失、けいれん発作、胸痛、息切れ、低血圧、昏睡などが起こります。そのため犠牲者の多くは自力で動くことができなくなり、救助が必要となります。重度の一酸化炭素中毒は、しばしば致死的です。まれに、重度の一酸化炭素中毒が回復したようにみえても、数週間後に記憶喪失、体調不良、視力障害（遅延型の神経精神症状）などが現れることがあります。

なぜ、一酸化炭素が発生するのか

ガスや灯油が燃える場合、「完全燃焼」すれば二酸化炭素と水蒸気が発生します。この二酸化炭素は高濃度でない限り、人体に有害ではありません。この「完全燃焼」だけが行われることが理想なのですが、残念ながら「不完全燃焼」が必ず起きます。「不完全燃焼」とは、酸素が足りない燃焼をいいますが、たとえ空気中に酸素が十分にあっても、火の内部では酸素の供給が追いつかない部分が出来てしまうと不完全燃焼となってしまい、一酸化炭素が発生します。また、この気体は無色、無味、無臭、無刺激性のため存在がわかりにくい厄介なものです。

なぜ、中毒症状を起こすのか

皆さんご存じのように、私たちの身体には酸素が必要ですが、その酸素は呼吸をすることにより血液中のヘモグロビン（酸素を運ぶ物質）と酸素が結びつき身体に運ばれています。このヘモグロビンは一酸化炭素と結びつきやすく、酸素の200～300倍と言われています。このため、微量であっても一酸化炭素を身体に吸い込むと、酸素を運ぶ量が減るため身体が酸素欠乏状態となり、一酸化炭素濃度が100ppmで中毒症状、1,000ppmで死亡する可能性があると言われております。ちなみに、建築物環境衛生管理基準における室内空気中の一酸化炭素濃度基準は10ppm（1m3の空気中に10cm3）となっており、きわめて厳格な基準を定めています。

■酸欠と一酸化炭素中毒の関係＜酸欠と一酸化炭素中毒の違い＞

換気のされていないテント内での燃焼器具使用　→　酸素不足　→　酸欠

換気のされていないテント内での燃焼器具使用　→　酸素不足　→　不完全燃焼　→　一酸化炭素発生　→　一酸化炭素中毒（重い酸欠）

つまり一酸化炭素中毒は「空気に酸素が少ない + 吸っても体内で酸素が運ばれない」という短時間で重度の酸欠状態に陥ってしまう症状なんです。

一酸化炭素中毒の治療法

一酸化炭素中毒の主な原因は酸素不足ですから、治療方法は酸素を吸入することになります。特に、軽度の治療に関しては、換気をし空気を入れ替え、新鮮な空気を吸うだけで大丈夫です。
また、中程度以上だとしても、マスクを用いた高濃度酸素を吸うことで、回復させることが可能です。症状がなくなり、CO-Hｂ濃度が正常に戻るまで、酸素吸入をするのが基本的な治療方法となります。重度の症状の場合は、高圧酸素治療を行う可能性があります。この治療を行える施設は限られています。

■重要なこと

火器を使用すれば必ず一酸化炭素は発生する、問題なのはその量。（不完全燃焼は必ず起きる）
※タバコでも一酸化炭素は発生しているが少量なので死には至らない。

一酸化炭素はたばこの煙にも1％から3％ほど含まれています。ニコチン・タールとともにたばこから発生する有害物質の代表的なものとして「たばこの三害」などと呼ばれます。一酸化炭素とヘモグロビンが結びついた一酸化炭素ヘモグロビンの体内での半減期は3-4時間程度なので、頻繁に喫煙する人は慢性的な酸素欠乏状態となり、ひいては赤血球が増えるなどの影響もあります。このため一酸化炭素は血管の動脈硬化を促進するともいわれています。

※話はズレますが僕がタバコを辞めた理由はここです、ジョギングでの酸欠→頭痛に悩み禁煙しました。

＜参考/引用　国土交通省　厚生労働省　WELQ＞



つまり火器を使用すれば必ず一酸化炭素は発生する訳ですから「一酸化炭素チェッカー」は安全面を考えればあったほうがいい。


テント内は火気厳禁、昔からよく言われることで大原則ではあるのですが冬山での食事、近頃流行りの薪ストーブ、現実的にはテント内でも火器使用は当たり前になっています。（推奨する訳ではないです）


薪ストーブは煙突でテント外に排気されますが、密封性や薪の状態などいろいろ考えるとテント内にも一酸化炭素は排出されていると思ったほうがいい。タバコでも一酸化炭素が出ていることを思い出しましょう。火のあるところには必ず一酸化炭素が！火のあるところは必ず換気ですね。


D.O.D(ドッペルギャンガーアウトドア) キャンプ用一酸化炭素チェッカーはアウトドア用なので一酸化炭素濃度を検知してから約5分後に、一酸化炭素濃度に合わせ3段階のレベルで警告を出します。風向きなどによる一過性の一酸化炭素には反応しないということです。

●材質：プラスチック、アルミニウム
●サイズ：（約）W46×H72×D15mm
●重量（付属品含む）：（約）50g
●電源：CR2032×2個※電池は付属していません。
●付属品：取扱説明書タグ
●動作温度：－5度～50度
●動作湿度：15～90％RH
●測定範囲：0～999ppm
●長期安定性：5％以内／年
●再現性：±2％
●原産国：中国（センサーは日本製）
●日本製の高感度センサー搭載。キャンプのためのアウトドア用一酸化炭素警報器。
●高品質・高感度な日本製センサー、一酸化炭素を検知するセンサーは高品質な日本製を採用しました。優れた検知能力で一酸化炭素の発生を素早く察知し、一酸化炭素の濃度レベルを知らせます。
●優れた電気化学式センサー、雨の多い日本のキャンプシーンを想定し、湿度の高い環境でも安定した検知ができる電気化学式という方法で一酸化炭素濃度を検知します。とりわけ動作安定性が高く工業用検知器に使われることが多い三電極（三極セル）方式という動作方式を取り入れています。
●コンパクト設計、手のひらにすっぽり収まるコンパクトサイズで、ポケットに入れて気軽にキャンプに持ち運べます。重量はたった（約）50gの超軽量設計です。
●アラームレベル3段階、一酸化炭素濃度を検知してから約5分後に、一酸化炭素濃度に合わせ3段階のレベルで警告を発します。